埼玉県の地下にある!?パルテノン神殿に潜入

三浦の探訪記

from:スタッフ三浦

僕がまだ小学校にも上がらない幼い頃、我々人間や動物たちは地球に住んでいると、親から聞かされて育ちました。

地球っていうのはね、宇宙に浮かぶ大きな丸い玉なのよ。
なるほど僕らはその玉に住んでいるんだね。
そうよ、地球に住んでいるんだよ。

ここで僕は勘違いをし、地球の中に住んでいるものだと思いこんでしまいました。
小学校に上がって地球儀を見た時に、は?中じゃないんかい!?とショックを受けた覚えがあります。
まさか外側にいるなんて。

その勘違いから膨らませた想像がきっと起点なんでしょう、僕は地底人などと聞くと妙にワクワクしてしまうんです。
地下の空洞なんて聞くと、そんな非日常の空間をぜひ見てみたい!と興奮してしまいます。

地下に思いを馳せる

以前に行った栃木県の大谷石採石場跡地は、巨大な地下空間になっていて、とても見ごたえがありました。

●過去記事「地上からは想像できないくらい巨大な地下空間」

ここは観光地化されていて、内部はカラフルにライトアップ。
カップルにうってつけのデートスポットです。
薄暗いし肌寒いし、2人でくっついて歩くのにかなりいい場所ですね。

そんな風に僕が地下空間に思いを馳せているのを知ってか知らずか、ボスから司令が来ました。
「春日部の巨大地下神殿を探検せよ」
なんですかそれ、早速行ってきますよ!
当店事務所のある埼玉県内に、そんな場所がありました。

大規模な治水設備

地下神殿と呼ばれるのは、大きな地下空間にこれまた巨大な柱が林立している様子を指して、そう例えられたもの。
国土交通省が作った地下の治水設備で、この春日部とその周辺地域の浸水被害を防ぐために作られました。
利根川と荒川に挟まれたこの地域は、お皿の底のような低地で、昔から台風や大雨があると頻繁に浸水していたそうです。
中川や綾瀬川などは比較的勾配が緩やかで水の流れが遅く、ひとたび川が増水すると氾濫を繰り返していました。

そこでこれを何とかして土地や住民を洪水から守るために作られたのが、この地下神殿。
というかそれを含む地下の人工河川です。
増水した川の水が限界に達すると、その水が溢れる前に地下へ流し込み、もっと大きな江戸川へ逃してしまおうという、壮大なプロジェクト。
大落古利根川、幸松川、倉松川、中川、第18号水路の5つの川の水を受け入れる、世界最大級の地下河川で、首都圏外郭放水路と名付けられています。
人工河川ですが、一級河川に指定されています。

●首都圏外郭放水路
http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/

龍Q館

この首都圏外郭放水路のうち、一部が一般公開されています。
それがこの地下神殿こと「調圧水槽」で、5つの川から集まった水を江戸川に流す直前にある、巨大な地下のプールです。


龍Q館の入った庄和排水機場


龍Q館から見た江戸川

地底探検ミュージアム「龍Q館」の入った建物、庄和排水機場で受付を済ませ、見学スタートです。
(※見学には事前予約が必要です。)
見学会は1時間コースで、前半30分は映像や模型、地図などを使った施設の説明です。

この模型がとても良くできていて実際に水が流れたりするので、分かりやすかったです。
案内係のお姉さんの声も聞きやすく、作業着姿なのに上品な佇まいというギャップがすごくいいですね。
前半の説明が終わり、今回の僕のメインイベント、地下神殿へ向かいます。
一旦外に出て、地下への入口へ歩いて移動。
サッカーコート1個分歩きます
ここが地下の入口
116段もある階段を下りていくということで、下る様子を撮影しようかと思っていたのですが、ここは撮影禁止でした。
おそらく歩行中の事故防止のためでしょう。
長い螺旋階段から地下へ潜っていくと、見えてきました無数の柱!

巨大空間と巨大な柱

壮観です。
素晴らしい。
無機質なコンクリートの柱と壁は、巨大な建物が好きな人はかなり気分が高揚すると思います。
人が写ってる写真の方がサイズ感が分かりやすいですね。
ここは177×78メートルの広さがあり、サッカーコート1面分くらいの広さだそうです。
実際にこの真上に先ほど載せた写真の通り、サッカーコートがあります。

そして天井までの高さは18メートル。
前にお台場にあったガンダムが入る高さです。

柱は幅7メートル、厚み2メートルあり、重量にして1本で500トン!
それがこの中に59本あるそうです。

これ以上前に出られなかったのですが、これが第1立坑。
地下水路を通って集まった水が一旦ここへ溜まり、そこから水が神殿(調圧水槽)で勢いを弱められてからポンプで江戸川へ流し込まれます。
ポンプには毎秒200立方メートル(25mプール1杯分)の水を排水する力があるそうです。
すさまじい規模すぎて一瞬ピンときませんが。。。
地下ということで三脚を持ち込みましたが、何もお咎めありませんでした。
観光地だと怒られるパターンが多いのですが、ここは施設の見学で、人数もあまり多くないので許容されているのかもしれません。
ただし、写真を撮ったりして中を見て回れるのは10分程度なので、カメラの設定や三脚の扱いに慣れていない人は、移動中に設定などを済ませておくかシミュレーションしておいた方がいいかもしれませんね。
この階段から下りてきました
ここには川の水が勢いよく入ってくるわけですから、当然泥なども一緒に流れ込んできます。
その泥を撤去するためにブルドーザーを使うらしいのですが、その重機がどこにあるのかと言うと、地上にあるそうです。
じゃあどこから入れるの?と思っていたら、天井に搬入口があり、そこから吊るしてこの調圧水槽へブルドーザーを降ろすんだそうです。
真上にSF的なハッチがあります
この椅子っぽいものは向こう側の立坑にブルドーザーが落ちないための車止め
重機が入れないスペースはすべて人力で泥かきをしているそうです。
かなりの重労働ですね。。。

1992年に着工してから14年、2006年に完成した首都圏外郭放水路は、これまでに110回稼働したそうです。
平均して年間7回も、この地域を浸水から守ってきました。
江戸幕府が利根川の流れを変えた東遷などを考えたりしながら、今回の見学会を終えました。
自然災害をこんなにもうまくコントロールして、日々の生活を守ることのできる知恵と技術は素晴らしいです。
昔から大規模な工事をやってのけてしまう人間の力は、こんなにも大きいのかと感嘆させられます。

今回、元々は写真を撮る目的で出掛けてきましたが、それ以外の部分でずいぶんと勉強になりました。

p.s.

p.p.s.
地底人や地下空間が好きなんて言いながら、子供の頃に親に怒られて押し入れに閉じ込められたりした経験からか、僕は実は狭いところが苦手です(笑)。

矛盾してますよね。

コメント